この記事は、本日 Google Developers Japan ブログに投稿された記事のクロスポストです。
スマートフォンとタブレットは、人々が情報と接する方法を大きく変えました。今日、多くの人がスマートフォンを使って、たくさんのニュースや新しいコンテンツに触れています。世界中のメディアやコンテンツ提供者が、モバイル ウェブを通じて読者に記事やコンテンツを提供していますが、そのユーザー体験は、残念ながら理想的ではない場合もよくあります。ある調査では、ページの読み込みに 3 秒以上かかると、40% のユーザーがそれ以上の閲覧をやめてしまうことがわかっています。これは、コンテンツ提供者にとっては、広告や定期購読による収益化の機会を失うことも意味します。
Google は、世界中のコンテンツ提供者、テクノロジー企業との議論をもとに、Accelerated Mobile Pages(AMP)というオープンソース プロジェクトを 2015 年 10 月に公表しました。これは、モバイル ウェブの表示を飛躍的に向上させることを目指すプロジェクトです。Google は、動画、アニメーション、美しいグラフィックス表現をそなえたウェブページが、スマートな広告とうまく共存しつつ、瞬時に表示されるようにしたいと考えています。また、同じコードが複数のプラットフォームやデバイスで動作することで、ユーザーが利用しているのがスマートフォン、タブレット、その他のモバイル端末のいずれであってもコンテンツが瞬時に表示されるようにしたいと考えています。
本日、AMP 導入ガイドの日本語版 PDF を公開しました。技術資料等も順次公開しており、安定版の仕様書などは AMP プロジェクトの公式ページ内でご参照いただけます。また、GitHub のレポジトリでは最新版の実装や提案中の機能を確認できますし、問題がある場合にはこちらのイシュー トラッカーよりご報告ください。オープンソース プロジェクトですので、ソース コードを直接ご提供いただく Pull Request も歓迎しています。
現在、AMP には New York Times や BBC をはじめとするパートナーが世界的に参加を表明しており、日本でも、朝日新聞、産経新聞、日刊スポーツ、毎日新聞、株式会社イード、マイナビニュース、BLOGOS をはじめとする多くのメディアやコンテンツ提供者が AMP への対応を準備しています。また、Ameba や LINE を含むサービスが、サービス内のコンテンツ ページを AMP に対応させる他、外部ウェブページへのリンク時に AMP 版が存在する場合は、AMP 版にリンクするなどの対応を予定しています。一方 Google では、先日 Inside Search ブログ(英語)でもお伝えしたように、Google の検索結果から AMP ページが表示されるようになります。
AMP プロジェクトは、すべての人にとってモバイル ウェブの体験をより速く、優れたものにすることを目指しています。このオープンなプロジェクトが、情報が自由に流通していくための一助となることを期待しています。関係者のみなさまのご理解とご協力をお願いいたします。
Google ではこのたび、Accelerated Mobile Pages(AMP)を実装するニュース コンテンツが増えてきていることから、Search Console でエラー レポートのプレビューを提供し、近く公式にローンチされる AMP へ皆様が対応できるようサポートします。また、皆様からの早期のフィードバックをいただけるようお願いいたします。このレポートは、[検索での見え方] の [Accelerated Mobile Pages] でご覧いただけます。また、このレポートは、ウェブサイト全体の AMP の実装に関する問題を見つけやすくすることを目的としています。Google 検索において AMP の利用を開始するには、該当するページに対応する有効な AMP ページを作成し、そのページが schema.org の NewsArticle マークアップを使用していることを確認して、ページ同士を適切にリンクする必要があります。
AMP エラー レポートでは、サイトの全体的な状態の概要を確認できますし、さらに特定のタイプのエラーや URL について個別に確認することもできます。このプロセスによって、よくある問題をすばやく特定でき、サイトでの AMP の実装に関する問題を体系的に解決することが可能になります(必要な作業は、該当ページに使用するテンプレートやプラグインの調整程度で済む可能性があります)。
AMP についてや、AMP があなたのサイトに適しているかについて関心をお持ちの場合は、検索における AMP のデモのプレビューや、AMP の仕組みの詳細、AMP のスタートガイドをご覧ください(リンク先はすべて英語)。あなたのサイトに AMP が適していると思われるなら、CMS にプラグインをインストールするだけで簡単に AMP を実装できる可能性があります。ご利用の CMS の提供元にご確認ください。ただし、Google 検索ではまだ AMP を公式にローンチしていないため、準備にはまだ多少の時間が必要となります。お使いの CMS やプラグインの提供元にフィードバックをお送りいただき、対応をしばらくお待ちください。最新情報について詳しくは、AMP プロジェクトのブログ(英語)をご覧ください。
この取り組みはまだ始まったばかりで、AMP エラー レポートの最初の一歩に過ぎません。このレポートは近日中に改善される予定ですので、皆様からのフィードバックをお待ちしております。ご利用いただいたうえでのご意見やご感想がございましたら、ウェブマスター ヘルプ フォーラムまでお寄せください。
新しい年を迎えて、Google のウェブマスター向けウェブサイトも新しくなりました。
このサイトの作成にはあたっては、じっくりと時間をかけて、サイト訪問者の行動を分析したりユーザー アンケートを実施したりしました。その結果、サイトをカテゴリ別に分類することでさらに使いやすくすることができました。コミュニティやトップレベル ユーザーの皆様には貴重なフィードバックをいただき、ありがとうございました。
このサイトは、ウェブサイトの問題を解決するのに役立つヘルプリソースや、高品質サイトの作成や検索ランキングの向上に役立つ SEO 学習資料、そして担当チームやウェブマスター コミュニティから最新情報を知ることができる”つながる”ページで構成されています。また、次のような新機能も追加しました。
何かご不明な点がありましたら、ウェブマスター ヘルプ フォーラムまでお知らせください。
この記事は 2015 年 12 月 7 日に Google Online Security Blog に投稿された記事「Protecting hundreds of millions more mobile users」の翻訳です。
Google セーフ ブラウジングは長年にわたって 10 億人以上のパソコン ユーザーをウェブ上のマルウェアや望ましくないソフトウェア、ソーシャル エンジニアリング サイトから保護してきました。本日は、こうした保護が Android で Chrome ブラウザを利用する数億人のユーザーにも拡大されたことをお知らせいたします。
Android 端末をお使いなら、おそらく、既にこの機能をご利用いただいています。Android 版の新たなセーフ ブラウジング クライアントは、Google Play 開発者サービスの一部として、バージョン 8.1 以降から組み込まれています。この機能を利用する最初のアプリは Chrome で、バージョン 46 以降の Android 版 Chrome のすべてのユーザーがデフォルトで保護されるようになりました。Chrome の [設定] > [プライバシー] メニューを開くと、[セーフ ブラウジング] がオンになっており、保護されていることを確認できます。危険なサイトの警告は以下のように表示されます。こうした保護はパソコンの場合と同様に、ユーザーのプライバシーを保護しながら行われます。
Android プラットフォームと Play ストアではこれまで長い間、有害な可能性のあるアプリからユーザーを保護してきました。攻撃者が対策を回避する技術を高めるにつれて、Google も検出能力をさらに向上させて Android アプリのユーザーの安全を保ってきました。しかし、モバイル ユーザーに対する危険のすべてがアプリに由来するわけではありません。
ソーシャル エンジニアリング(特にフィッシング)に対しては別のかたちの保護が必要です。不正なサイトの最新リストを端末上に保持して、ユーザーがそうしたサイトを閲覧する前に、確実に警告を出せるよう備える必要があります。しかしながら、こうした保護をモバイル端末上で提供することは、パソコンの場合よりもはるかに難しくなります。その理由として少なからぬ部分を占めるのが、リストを最新に保たなければならないという点です。
Google では、セーフ ブラウジングでモバイル端末に送信されるデータは1ビットも無駄にすることなくすべて保護の向上に役立たねばならない、という哲学を持っています。モバイル端末においてネットワーク帯域幅と電池は最も貴重なリソースであるため、どのようにしてモバイル ユーザーを保護することが最良なのかを入念に再検討する必要がありました。一部のソーシャル エンジニアリング攻撃は世界の一部の地域でのみ起きているため、そうした地域内に端末がある場合のみ、端末を保護する情報を送信します。
また、最も危険性の高いサイトに関する情報をまず最初に送信します。新興諸国の速度の遅いネットワークでよくあるように、ほんのわずかな更新データしか送信できない場合、更新内容は本当に価値のあるものでなければなりません。そこで、私たちは Google の圧縮技術チームとも連携し、送信する更新データの量をできるだけ小さく抑えました。
さらに、Android セキュリティ チームと協力して、端末上のソフトウェアによるメモリとプロセッサの使用を可能な限り抑えるとともに、ネットワーク トラフィックの最小化にも留意しました。こうした点すべてが重要なテーマです。ユーザーのデータ通信料や電池消費量をわずかでも浪費してはならないからです。
ユーザーに苦い経験をさせないよう、Google ではインターネット上の脅威への対策を続けています。同時に、こうした保護がユーザーのネットワーク費用や端末の電池に不当な負担を強いるものであってはなりません。世界中でモバイルウェブへの依存が高まり続けるなか、Google では可能な限り効率的な方法で、ユーザーをできるだけ安全にしたいと考えています。