2015 年もいよいよ終わりが近づいてきました。皆さまにとって、2015 年はどのような一年だったでしょうか。今年最後の投稿となる今回は、Google 検索に関する今年の出来事を振り返り、2015 年を皆さまとともにおさらいしていきたいと思います。
まずは、ウェブマスター向け公式ブログに投稿されれた記事のうち、今年一年アクセスの多かった記事をランキングでご紹介します。
上記ランキングの中には、Search Console のように今年初めて登場した言葉も見受けられますが、一年を通して最も人気を博したトピックは "モバイル" でした。上位 10 件中 5 件もの記事がモバイル関連となるなど、ますます読者の皆さまのモバイルに対する関心の高まりを感じます。
2013 年の発表、そして 2014 年の一般公開以降、App Indexing は 多くのウェブマスターやアプリ デベロッパーの皆さんに利用され、Google 検索はより多くの モバイル アプリ内コンテンツをインデックスすることが可能になりました。今年は、ランキング要素の一つとして使用されることが発表され、検索結果でアプリ コンテンツがより簡単に見つかるよう変更が行われました。Google サーチ クオリティ チームでは、
など、App Indexing に関してより良い体験を提供できる体制を整えました。
一方、Google 検索に関心を寄せるのはウェブマスターだけではなくなったと考えた私たちは、今年 5 月、ウェブマスター ツールを Google Search Console として一新し、アプリ開発者向けの機能を提供するなど、様々なタイプの人たちに向けたサービスの提供を開始しました。もちろん、従来からある機能の改善も継続的に行っています。Search Console はこれからも検索に関心を寄せるすべての人にとっての包括的な情報源となることを目指していきます。Search Console に関する記事を読み直したい方は、Search Console ラベルより検索いただけますので、ぜひご活用ください。
モバイルなどの話題が盛り上がる一方で、Google はユーザーやウェブマスターの安全性も決して忘れません。昨年に引き続き今年も #Nohacked キャンペーンを開催し、ハッキングを防止するための様々な方法を紹介しました。また、検索結果に表示されるサイトの不正なハッキングに取り組むことを目的に、一連のアルゴリズムの変更も行いました。さらに、セーフ ブラウジングによるユーザー保護の取り組みを紹介したり、HTTPS URL を優先的にインデックスしていくことを発表するなど、ユーザーがより安全にウェブ ブラウジングを行えるための情報提供と環境の改善に力を注ぎました。
そしてもちろん、今年もウェブマスターをはじめとする多くの方と出会えたことを私たちは大変嬉しく思います。今年はハングアウトを活用したウェブマスター オフィスアワーのみならず、東京をはじめ、岡山や大阪、金沢といった地域で行われるイベントにも参加し、参加者の皆さんと直接的な意見交換を行いました。また、米国本社では 2 年に一度の TC summit が開催され、ヘルプ フォーラムでユーザー サポートに日々大きな貢献をいただいている世界中のトップレベル ユーザーの方々と、貴重な意見交換や議論を行うことが出来ました。
以上、今年も様々な取り組みが行われましたが、これらは、ヘルプ フォーラムや Google + コミュニティ、ハングアウトなど、様々な場所で皆さんにご参加いただいたり、フィードバックをご提供いただいたおかげです。どうもありがとうございました。Google サーチ クオリティ チームでは、2016 年も皆さんのお役に立つ情報を提供できるよう、継続的に取り組みを行っていきたいと思います。
それでは皆さん、良いお年を!
Google では常にユーザーのセキュリティを最優先に考え、長年にわたってウェブの安全性の向上やブラウジング体験の改善に取り組んできました。Gmail、Google 検索、YouTube では以前からセキュアな接続を実現しており、昨年は、検索結果での HTTPS URL の掲載順位を若干引き上げる取り組みにも着手しました。ウェブのブラウジングはウェブサイトとユーザーとの間の私的な体験となるべきであり、傍受、中間者攻撃、データ改ざんの対象となってはいけません。Google が「HTTPS everywhere」の推進に取り組んできたのはこのためです。
この流れの一環として、Google は、より多くの HTTPS ページを探すよう、インデックス システムを調整していることをお知らせします。具体的には、HTTP ページに対応する HTTPS ページのクロールを開始します。これは、対応する HTTPS ページがどのページからもリンクされていない場合にも対象となります。同じドメインの 2 つの URL が同じコンテンツを掲載していると思われ、かつ、両者が異なるプロトコル スキームで配信されている場合、通常、以下の条件を満たしていれば HTTPS URL を選択してインデックスに登録します。
Google のシステムではデフォルトで HTTPS バージョンが優先されますが、HTTP サイトを HTTPS バージョンにリダイレクトしたり、サーバー上に HSTS ヘッダーを実装することで、他の検索エンジンでも HTTPS バージョンを明示的に優先させることができます。
今回の取り組みにより、ウェブの安全性がさらに高まることを嬉しく思います。Google 検索結果で HTTPS ページを表示することにより、Google では、セキュアでない接続を介してウェブサイトを閲覧してコンテンツ インジェクション攻撃を受けやすくなるリスクを減らしたいと考えています。ご質問やご意見がございましたら、ウェブマスター ヘルプ フォーラムまでお気軽にお問い合わせください。
この記事は 2015 年 11 月 13 日に Google Online Security Blog に投稿された記事「Safe Browsing protection from even more deceptive attacks」の翻訳です。
セーフ ブラウジングは、8年以上のあいだ、従来のフィッシング攻撃から 10 億人以上のユーザーを保護してきました。そのあいだにも、ウェブ上で暗躍するハッカーたちは、ユーザーをだまして本来意図していない行動をとらせるために、さまざまな種類の不正行為を仕掛けています。つまり、フィッシング攻撃の様相は常に変化してきているのです。そこで Google では、ソーシャル エンジニアリングも対象にするよう保護の範囲を拡大しました。
ソーシャル エンジニアリングは従来のフィッシングと比べてより広範囲なカテゴリであり、さまざまな不正なウェブ コンテンツを含んでいます。ソーシャル エンジニアリング攻撃とは、次のようなコンテンツを指します。
Google や Chrome から配信されたコンテンツであるかのように装うソーシャル エンジニアリング攻撃の例を、以下にいくつかご紹介します。他の信頼できるブランドも同様に、ソーシャル エンジニアリング攻撃による不正行為に使用されていますのでご注意ください。
これは、マルウェアや不要なソフトウェアをダウンロードして実行させようとするページです。Google が運営するサイトだと思わせるために Chrome のロゴと名前を使っています。こうしたコンテンツには、Google とは無関係であることを示す免責条項が目立たない場所に書かれている場合がありますが、このコンテンツが不正なものであることに変わりはありません。ウェブからファイルをダウンロードするときはいつでも注意を払うようにしてください。
これはテクニカル サポートの電話番号をかたったページです。偽の警告メッセージを表示して、Google またはその他の信頼できる組織になりすました無関係の企業に電話をかけさせようとしています(Chrome では有料のリモート サポートは提供していません)。
これは偽の Google ログインページです。ユーザーをだましてアカウントのログイン用認証情報を入手しようとしています。この種のフィッシングを行うサイトでは、クレジット カード情報などその他の個人情報の入力を要求されることもあります。フィッシング サイトはまるで本物のサイトのように見えるように作られているため、アクセスしている URL が本物に間違いないことをアドレスバーで確認するとともに、そのウェブサイトが「https://」で始まるかどうかもチェックするようにしましょう。詳しくはこちらをご覧ください。
ソーシャル エンジニアリングのコンテンツが含まれるウェブページであることが特定されると、Chrome では次のようなページを表示してユーザーに警告します。
(セーフ ブラウジングで誤って不正なサイトとして分類されているウェブページがある場合は、こちらからご報告ください)
Google では、より多くのユーザーがオンライン コンテンツを安心して利用できるようにするため、セーフ ブラウジングによる保護を引き続き強化していきます。詳しくは、透明性レポートのセーフ ブラウジングに関するページをご覧ください。
検索アルゴリズムに変更を加えるためにはテストを実施する必要があります。このテストの一環として、Google の検索結果の品質を評価していただいている評価者の方々に、テストに対するフィードバックをお願いしています。評価者からのフィードバックによって個別のサイトのランキングが決定されるわけではありませんが、テスト結果を把握するうえでの有用な情報として活用しています。評価者は、Googleから提供されたガイドラインに基づいて検索結果の品質を評価しており、このガイドラインには Google が考える「検索ユーザーのニーズ」が反映されています。
2013 年、Google は人間による評価のガイドラインを公開しました。これは、Google 検索の透明性を高めるとともに、Google がどのようなウェブページを求めているかをウェブマスターの皆様にご理解いただくことを目的としたものでした。しかし、ガイドラインの公開以降、これまでにさまざまな変化が起こりました。とりわけ、スマートフォンを利用するユーザーが増加したことで、今日ではパソコンよりもモバイル端末で検索するユーザーのほうがが多くなっています。
Google では、ユーザー ニーズの変化を把握するごとにガイドラインに変更を加えてきましたが、2013 年の公開以降の変更については皆様にお伝えしてきませんでした。しかし、このほど評価ガイドラインの大幅な改訂が完了し、今日のモバイルの利用環境に対応しました。これは、インターネットに接続された端末を常に持ち歩く場合、人々の検索の使い方は異なったものになっているということが反映されています。改訂後のガイドラインはこちらからご覧いただけます。
この評価ガイドラインは最終版ではありません。今後も、検索自体や人々の検索の使い方が変わるたびに変更されます。変更を加えるたびに公開ドキュメントを更新する予定はありませんが、ガイドラインの大きな変更については定期的に公開していきたいと考えております。
モバイル端末においても、ユーザーの皆様が探している答えをできる限りすばやく提供できるよう、Google は今後も継続的に努力してまいります。