私たちはここ数年間、サイトで HTTPS による暗号化を採用するよう強く働きかけることによって、保護されたウェブを目指してきました。そして昨年は、「保護されていません」と表示される HTTP ページを徐々に増やすことによって、HTTP サイトが保護されていないことをユーザーに理解してもらうよう努めてきました。2018 年 7 月に Chrome 68 がリリースされると、すべての HTTP サイトに「保護されていません」と表示されるようになります。
デベロッパーはサイトを HTTPS に移行し、ウェブを誰でも安全に使えるようにしてきました。昨年の進展はめざましく、その動きはさらに続いています。
Chrome は、HTTPS をできるだけ簡単に設定できるようにするために貢献しています。デベロッパーがサイトを HTTPS に移行する助けになるように、ウェブページを改善するための自動ツール、Lighthouse の 最新 Node CLI 版では、混合コンテンツの監査が可能になっています。この Lighthouse の新しい監査機能を使うと、HTTP を使ってサイトに読み込まれているリソースや、サブリソースの参照を HTTPS 版に変更するだけで HTTPS にアップグレードできるリソースを見つけることができます。
Chrome の新しいインターフェースでは、すべての HTTP サイトが保護されているわけではないことがわかりやすくなるため、ウェブをデフォルトで保護された HTTPS に切り替えるよう促す効果があります。HTTPS は、今までになく簡単で安価なものになり、パフォーマンスの改善や、HTTP で扱うには危険だった、パワフルな新機能を利用可能にします。デベロッパーの皆さんは、まずセットアップ ガイドをご覧ください。
新しい Search Console のベータ版が、いよいよ本格稼働しました。Google ではこれまで、皆様からのさまざまなフィードバックに耳を傾け、ユーザーの声をデザインに反映するための新たな方法を模索してきました。今回の新しいリリースでは、当初はユーザーの主要な目標をサポートする機能の構築に注力してきましたが、今後数か月は機能の拡張を進めていく予定です。UI にマテリアル デザインを採用するなど長らく期待されてきた変更点もある一方で、多くの機能は、Search Console ユーザーである皆様に継続的にご協力いただいた結果、実現したものです。
ユーザーのご意見を伺うにあたっては、主に次の 3 種類のコミュニケーション チャネルを利用してきました。
こうした取り組みの一環として行ったもののひとつが、検索パフォーマンス レポートについて新しく提案されたデザインのテストです。具体的な目的は、「比較」機能と「フィルタ」機能の使い方がわかりやすいかどうかを確認することでした。できるだけリアルに感じられるテストにするため、実際のデータに接続した本物に近いプロトタイプを使用しました。このプロトタイプでは、本番用コードが 1 行も記述されていない状態でも、テスト参加者が自由にユーザー インターフェースを操作できるようにしました。
このテストでは、「比較」機能が見落とされることが多いことがわかりました。そこで、[新規] チップをクリックすると開く統合されたダイアログ ボックスに「フィルタ」と「比較」が表示されるデザインに変更しました。このデザインに加えて他のデザインについても、ユーザビリティや利便性を最適化できるよう引き続きテストを行いました。
ユーザーからのフィードバックは、実際のデザインの細部だけでなく、構成に関する判断にも取り入れています。たとえば、ユーザーのフィードバックを基に、Search Console の中心となる情報アーキテクチャを大きく変更した結果、新しい Search Console 内のナビゲーションやプロダクトの構成も大きく変わりました。エラーに関するレポートとインデックス カバレッジレポートは当初は別々であったため、同じエラーが複数検出されてしまいました。これらのレポートを 1 つにまとめて包括的に把握できるようにしたのも、ユーザーのフィードバックを受けた結果です。
公開日が近づくにつれて、さらに大規模なテストをいくつか実施しました。30,000 人のユーザーを対象に、新しい Search Console の一部のレポートと既存のレポートを比較する A/B テストを行いました。問題の修正率を記録して、新しい Search Console の方が良好な結果をもたらすことを確認し、テストについて調べるためフォローアップのアンケートを送信しました。この最新のフィードバックから、エクスポート機能が、単にあると便利というよりむしろ多くのユーザーにとって欠かせない機能であることがわかりました。また、最初のリリースで詳細なヘルプページを用意するという点でも、フィードバックが役立ちました。
新しい Search Console は、現在すべてのサイトでご利用いただけるようになっています。Google では、Search Console のフィードバック ボタンやユーザーパネルなどの手段を通じてご協力いただきながらデザインを進めることを重視しています。最良のプロダクトを作ることができるのは、ユーザーの皆様のおかげです。
新しい Search Console を試してみる
新しい Search Console は、まだ完成したわけではありません。今後取り入れてほしいという機能がありましたら、ぜひ Search Console 上のフィードバックボタンからお知らせください。皆様からのフィードバック、お待ちしています!
Lighthouse Chrome 拡張機能に、新しく SEO カテゴリが追加されましたのでご紹介します。
Lighthouse は、ウェブページの品質向上に役立つよう開発された、オープンソースの自動化されたツールです。サイトのパフォーマンス、アクセシビリティ、プログレッシブ ウェブアプリ(PWA)対応状況などについての確認でき、サイトの品質を向上させるための具体的な対策を提示します。デベロッパーの皆様が「暗礁に乗り上げないようにする」ことを目的としているため、「Lighthouse(灯台)」と名付けられました。
Lighthouse 内の SEO カテゴリでは、ウェブページの基本的な「SEO ヘルスチェック」を実行できます。その結果、デベロッパーやウェブマスターの皆様にウェブページで改善可能な箇所を見つけていただけるようになっています。Lighthouse は Chrome ブラウザでローカルに実行されるため、ステージング環境でも、公開中のページでも、認証が必要なページでも、同じように SEO 監査を実行できます。
現在の SEO 監査項目はすべてを網羅したものではなく、Google ウェブ検索やその他の検索エンジンでの SEO を保証するものでもありません。現在のリストは、どのサイトも知っておくべき基本事項を検証、反映できるよう設計されており、あらゆるスキルレベルの SEO 担当者やデベロッパー向けに詳細なガイドを提供します。将来的には、さらに詳しい監査やガイドをご提供したいと考えています。ご利用になりたい監査の種類についてご意見やご提案がございましたら、ぜひお知らせください。
現在、SEO 監査は以下の 2 種類の方法で実行できます。
現在の Lighthouse Chrome 拡張機能に含まれる SEO 監査項目は、今後拡張、強化していく予定です。確実に機能することが確認でき次第、Chrome デベロッパー ツールでもデフォルトで SEO 監査をご利用いただけるようにいたします。
皆様が現在取り組んでいるプロジェクトや今後のプロジェクトで、この機能がお役に立てば幸いです。SEO に関するこうしたヒントをご存知でなかった方や、SEO に関心をお持ちの方は、検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイドをご覧になることをおすすめします。ご意見やご提案がございましたら、GitHub、ウェブマスター ヘルプ フォーラムでお寄せください。